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//////////////【上棟式の伝説:おかめ伝説】////////////// |
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むかしむかし、日本一の宮大工の棟梁と呼ばれた長井飛騨守高次という 人がおりました。京都、千本釈迦堂の本堂の工事を、住職より頼まれました 。高次は約二百人の職人を使い、工事を行いました。
上棟式の前の日、柱を一本、短く切ってしまったことに気がつきました。翌 日の上棟式に間に合わないため、悩んで寝込んでしまいました。その姿を見 て、妻であるおかめは 「なぜ、心配そうな顔をして寝ているの」 と高次に尋ねました。 「柱一本短くしたため、上棟式にならないのだ」 と高次は応えました。そこで、おかめは 「長い柱に短い柱を合わせようとするから悩むんであって、短い柱に長い柱を 合わせればいいのではないですか」 と教えました。しかし、 「その分高さが低くなる」 と高次は取り合いませんでした。するとおかめは言いました。 「桝組みを組んで、短い分を補えば高さは変わりません。桝組みの材料は、 柱の切れ端で充分間に合います」
高次は 「それは名案である」 と喜んで、二百人の職人と一昼夜にして桝組みを作り、なんなく上棟式を終 えることができました。そして本堂は桝組みにしたことによって、かえってすば らしいものとなりました。 住職も感動し 「さすが、日本一の宮大工」 と感謝されました。
ところが、完成後、また高次は寝込んでしまいました。それは、日本一と言 われる名士(自分)が、妻(おかめ)に仕事の指示を受けたことを、妻が他人 に話したら恥をかくと思ったからでした。
それを知った妻(おかめ)は、私がこの世から居なくなれば高次は安心する だろうと、川に身を投げ、この世を去りました。
なぜ、妻を信じることができなかったのだろう、高次は悔やみました。
それ以降、上棟式の際には、おかめが日ごろ使用していた、くし、鏡、口紅、 その他女性が使用する七品を、おかめの供養も兼ね、飾ることにしました。
現在も、そのいわれを辿り、上棟式が行われております。
おしまい
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